2019年04月14日

授乳困難


最近初診で来られるお母さま方の中に、直接授乳ができないということで来院される方が

非常に多いのです。

以前は、母乳が足りないとか、足りているのか不安な方や、張りすぎて大変な方、

乳腺炎症状(おっぱいにしこりができた、熱がある、痛い等)で来院される方が多く、

直接授乳できない方もおられましたが、陥没乳頭や扁平乳頭のために吸い付けない

など理由も明確でした。


ところがこの1年位、乳頭も飲めない筈はない形をされているし、母乳の分泌も悪くないのに、

直接授乳ができないまま退院されたり、直接飲めないため乳頭保護器を使っての授乳のため、

あまり上手に飲めておらずおっぱいにしこりができたり、乳頭がペタンコにつぶれていたり

乳頭の先が傷ついたり、白斑ができたりして、吸い付かせたとき激痛で、

下着が当たるだけでも痛いのです。

そして直接授乳をしようとすると、赤ちゃんが反り返り、ギャン泣きして拒否します。


お母さんも、赤ちゃんも、お祖母ちゃんも、私も本当に悲しくなります。



なぜこんなことになるのでしょうか?



産まれてきた赤ちゃんがお母さんのおっぱいに吸いつき、母乳を飲むというのは、

哺乳類として本能的なことであり、最も自然で、赤ちゃんにとっては最高の栄養であり、

心満たされることなのに・・・、

お母さんにとっては、産後の体の回復のためにも、そして母性の発達のためにも、

このうえないことなのに・・・。

もちろん、いろいろな事情でできないことも多々ありますが・・・




産まれたばかりの赤ちゃんには、できるだけ早くお母さんのおっぱいを

吸わせていただきたいのです。

そして、たびたび吸わせることで、赤ちゃんも吸い方が上手になるし、

母乳の出も良くなってきます。

お母さんも、だんだん上手に飲ませられるようになります。



しかし、最近は出産後4〜5日で退院となり、赤ちゃんの生理的黄疸や生理的体重減少が

最も強い時の退院となるため、予防的に早期からミルクを積極的に飲ませるような

ところもあります。


授乳時間になり、母乳を飲ませようとしても、赤ちゃんはたっぷりミルクを飲んでいるため

眠っていて吸いついてくれません。それで、またミルクを飲ませてしまいます。

そのうちおっぱいを飲まそうと思っても、パンパンにおっぱいが張ってしまったため

吸いつけず、結局上手に授乳ができないまま退院され、せっかくよく出るおっぱいも

だんだん出にくくなってしまいます。 

もったいないことです。



実は、赤ちゃんがお母さんのおっぱいを飲むときの飲み方と、

哺乳瓶や乳頭保護器などの人工乳首の飲み方は、全く異なるのです。



赤ちゃんが母乳を飲むときは、舌をUの字に丸め、舌全体を口から前に出して

乳頭をとらえ、舌を前方から後方へ波打つような蠕動運動をしながら吸い付き、

しばらくしたら湧いて出てきた母乳をゴックンゴックンと、ゆっくり下顎をしっかり

上下に動かしながら飲み込みます。

そのためお口は大きく広がり、乳輪乳頭を大きく深く巻き付けて飲むようになります。

乳頭の痛みは全くありません。おっぱい全体も柔らかくなりすっきりします。



哺乳瓶や乳頭保護器などの人口乳首の場合は、お口を大きく開けることなく、

舌も前に出してくることもなく、お口の中に入れられた人口乳首を舌の中ほどでとらえ、

乳首を上口蓋のくぼみに押し付け、しごくようにして、出てくるミルクを飲み込みます。

お口はややすぼませて、唇に力が入っています。

ミルクが出過ぎて、赤ちゃんのお口からミルクがあふれ出てしまうこともあります。

もちろん、哺乳瓶のメーカーにより若干異なりますが・・・



したがって、人口乳首に慣れてしまうと、おっぱいを飲ませようとしても、

舌が前に出てこず、とらえても乳頭をしごくように舌を動かすので、

乳頭をつぶしてしまい、先がペタンコになったり、3角形に尖ってしまい、

吸われた時も痛いし、授乳後もじんじん痛いし、しっかり飲めないので

赤ちゃんはすぐに泣いてしまったり・・・



赤ちゃんがかわいくて、楽しいはずの育児なのに、おっぱいがうまくいかないと

本当につらいです。



このような時、私たちは、まず桶谷式の乳房マッサージで、乳房全体と、乳輪乳頭を

柔軟にさせて、赤ちゃんが吸い付きやすいよう伸展性を良くします。

赤ちゃんには、舌を前に出すように、舌の動きを良くさせるために、

スプーンを使って、搾乳や白湯や糖水などを少し飲ませてみます。

誤嚥しないように注意して。


それから、お母さんのおっぱいを飲ませてみます。

しっかり乳頭をとらえるよう、赤ちゃんと呼吸を合わせ、抱き方や乳頭の含ませ方も

お母さんと一緒になって、お母さんの姿勢も正し、無理な力が入らないように

助言しながら直接授乳ができるように援助します。



産後からの日数が長くなるほど、修正するのが時間がかかります。

1回でうまくいくこともあれば、そうでないことも多いです。

しかし、おっぱいの状態を良くして、楽に授乳できるようになると、

育児がとても楽で、ますます赤ちゃんがかわいく思えるようになります。



もし、授乳がうまくできないとか、吸わせたとき痛いとか、

授乳に困られているならば、できるだけ早く来られた方が、

少しでも早く楽になると思います。




生まれてきた赤ちゃんが健やかに育ってほしいと願って・・・

そして、お母さま方が、ほんの1年間の乳児期の子育てを少しでも楽しく、

幸せに過ごしていただきたいと願って・・・


posted by fujiwara at 23:16| Comment(0) | おっぱいトラブル

2015年02月19日

添い乳は要注意!


乳腺炎(お乳にしこりができた、乳頭の先に白い点ができて痛い、など)で来院される方の中で、

添い乳をして寝かせつけたり、夜中の授乳を添い乳でやってる方がよくおられます。


寒いですし、たびたび夜に起こされると、ついつい添い乳をされる気持ちもわかりますが、

赤ちゃんがおっぱいを上手に吸ってくれてればよいのですが、乳頭をつぶして飲んでいたり

浅くちゅくちゅく飲んでいたりすると、飲めてないところができてしこりになってしまいます。

また、片方だけしか飲ませてないことも多く、1~2時間でまた泣いてしまいます。

授乳時間もだらだら長く吸わせがちです。

ママも、横になって飲ませるので、腰も痛くなったり肩が凝ったりしやすいです。


吸わせたとき乳頭の先が痛かったり、乳首がペタンコにつぶれていたり、先に白い点ができているときは、

添い乳ではなく、ちゃんと起きて抱っこして左右のおっぱいを飲ませてあげてください。

その方が、授乳時間も短いし、授乳間隔も3時間の定時刻になり、おっぱいのトラブルも予防でき

結果的にママが楽になります。



母乳育児は、夜の授乳がとても大切です。

赤ちゃんがもくもくとおっぱいを飲むのは、夜の授乳です。

眠くて辛いかもしれませんが、赤ちゃんが夜中にゴソゴソ、チュパチュパしている音が聞こえたら、

泣くまで待たないでその時さっと飲ませてあげてください。ちゃんと起きて抱っこして!

3~5分づつ飲んだら、すっと寝てくれます。





posted by fujiwara at 10:07| Comment(1) | おっぱいトラブル

2015年01月07日

授乳中の下着はゆるめがいい?!


 お正月明けで、おっぱいの調子の悪い方が多いです。(ー_ー)!!

 乳腺炎になってこられた方の中で、こんな方がおられました。


 
 年末で家族で外出することが続いた。いつもはゆるめの下着を着ていたけど、

 その時は、アンダーバストのゴムがきつめのウレタンカップのついた下着を着て出かけた。

 授乳時間も5時間くらいあいてしまったが、初日は何とかなったが、

 次の日、外出中からおっぱいが痛くなり、おっぱいが腫れて赤くなり、急に熱も出始め、

 帰った時は39度! おばあちゃん達が来られていて、赤ちゃんにしっかりミルクを飲ませてくれて

 おっぱいを飲ませることができず、救急外来へ。  乳腺炎と診断され薬をいただいた。


 授乳間隔があきすぎたことも原因ではありますが、きつすぎた下着で、

 血液やリンパの流れも悪くなったのも影響があると思われます。

 特に産後1〜2か月のころはとても張りやすかったりするので、

 気を付けたほうがいいかと思われます。




 ワイヤー入りの下着も、自分の体に合っていればいいのですが、

 肋骨の形や左右の間隔など個人差があり、合わない下着をつけると、 

 ワイヤーの跡が付いていたり、ワイヤーの先が食い込んで赤くなったり痛くなったりします。

 授乳中は特にデリケートなので、気を付けましょう。exclamation

 サイズも産後の月例により変化します。一人目と二人目でも違います。

 授乳中は、伸縮性のあるソフトな、できれば綿で吸湿性のある下着をお勧めします。手(チョキ)


posted by fujiwara at 17:17| Comment(0) | おっぱいトラブル